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2019年度第3回大気圏科学セミナーで国立環境研究所の江波進一先生が講演されました。

生存圏研究所では大気圏科学研究の3グループが合同で、毎月「大気圏科学セミナー」を開催しています。

2019年7月12日(金) に、国立環境研究所の主任研究員・江波進一先生をお招きし、下記の演題と概要で講演をされ、終了後に懇親会を持ちました。

演題:Multiphase Chemistry in the Atmosphere (大気圏マルチフェーズ化学)
概要:Important atmospheric reactions occur not only in the gas- and liquid-phases but also at the gas-liquid interface. To evaluate the impact of reactions on the atmosphere, we need to elucidate the mechanism of multiphase reactions. The mechanisms of interfacial reactions are, however, not fully understood, due to the lack of experimental techniques for in-situ monitoring of the intermediates of fast interfacial reactions. Here, we report the experimental results on the mechanisms of prompt reactions of terpenes, a class of dominant volatile organic compounds in the atmosphere, initiated by gaseous ozone at air-aqueous interfaces by a novel mass spectrometry under ambient conditions.
地球環境は気体・固体・液体が複雑に関わり合う複雑な多相(マルチフェーズ)系で構成されている。これまで気相や液相などの均一な系で起きる化学反応については研究が進んできたが、気体と液体の境界相(界面)のような不均一な系で起こる化学反応の研究はあまり進んでいなかった。その結果、地球環境における不均一反応の役割やその影響度は評価されていないのが現状である。しかしながら、空気―エアロゾル界面で起こる化学反応は、地球の気候変動を理解する上で鍵となる化学プロセスであり、その詳細の解明が待たれている。特に、大気に放出される揮発性有機化合物(VOC)の大半を占めるテルペン類が関与する界面反応は重要である。本講演では、新しい実験手法を用いたテルペン類が関与する多相反応のメカニズムの研究とその大気における重要性について紹介する。