Research Institute for Sustainable Humanosphere

研究所の目的

21 世紀、これからの 100 年において、人類がその生存と繁栄を持続させるために解決しなければならない問題は多い。その中でも、資源・エネルギーの枯渇、地球温暖化による環境破壊、人口増加は、人類の生存を脅かす直近の問題である。

地球は、物質的にはほぼ閉じた系であるが、エネルギー的には、太陽からの輻射などによる流入があり、閉じた系(孤立系)ではない。地球上のあらゆる生物の生存は、この太陽輻射エネルギーに直接・間接的に依存している。

たとえば、植物は、太陽エネルギーと水と二酸化炭素から有機物質と酸素を産出し、それが動物、微生物の活動へとつながっている。その延長線上に人類は位置している。このように太陽エネルギーは大気圏・水圏を含めて地球上に形成されている大きな炭素循環系の大本を形成している。

しかし、20 世紀に入ってからの化石資源に依存する人間活動の爆発的増大は、この太陽エネルギーを源とする連鎖に歪みを生じさせ、それが、人口増加と生活向上の要求とあいまって、資源・エネルギーの枯渇、地球温暖化による環境破壊となって表出してきた。そして、今世紀中には地球上の人類の生存が脅かされる状況にまで至っている。とりわけ発展途上国の生活水準の向上と爆発的人口増加による物資、資源、エネルギーなどの需要の指数関数的増大は深刻な資源・エネルギー不足と環境悪化を加速させ、今世紀半ばには深刻な状況に至ることは論を待たない。

この深刻な問題を解決するには、現在の化石資源依存型社会から太陽エネルギー依存型の持続的発展が可能となる社会への変革が必要である。そのためには、まず、人類の生存圏を形成している地表から大気を通し宇宙空間に至る太陽エネルギーに源を発する物質循環・連鎖の現状と炭素・水・大気・エネルギーの循環を正しく把握し、従来の専門分化した手法のみによらず、未来志向の広い専門分野間の連携による理解がなされなければならない。

本研究所の目的の一つは、このように存続の危機に瀕している地球上の生存圏において、その状態を正確に診断するとともに、それに基づいて、現状とその先行きを学術的に正しく評価し、理解を深化させることである。

具体的には、環境変化と密接に関係がある、地球の大気ダイナミクスを高性能レーダーにより研究し、地球の状態を正確にモニターする。さらに、再生可能資源としての木質資源をより広範囲に活用し、消化型ではなく、再生型の社会基盤を形成するために、バイオマス資源の活用、森林による二酸化炭素の固定化などを総合的に研究する。

もうひとつの生存圏研究所の目標は、危機的状態に向かいつつある生存圏の正しい診断と理解に基づき、地球生存圏の悪化の悪循環を断ち切り、子孫に持続可能な生存圏を引き渡すほか、宇宙空間へと展開する新たな生存圏の開拓などを開発・創成することである。

具体的には、太陽光エネルギーを宇宙で直接変換しクリーンで大規模な電気エネルギーを地上へマイクロ波送電する宇宙太陽発電所の研究開発を行ない、温暖化ガスの抑制を図ると同時に増大する電気エネルギーの需要に応える。

また、将来の宇宙空間における人類活動とその先に見える宇宙空間生存圏の基礎研究として、宇宙空間の電磁環境観測や大型宇宙建造物のシミュレーションなどによる正しい宇宙環境の研究も行なう。

また、光合成による再生可能なバイオマス資源、とりわけその 95 % を占める木質・森林バイオマス資源の効率的形成とその有効利用を通した安定した生活圏の確保のために、木質・森林資源の先導的技術の研究開発を行なう。

さらに、温暖化ガスの元凶である二酸化炭素を吸収・固定し、酸素を供給する樹木・森林を循環活用するとともに、その空間を地球生存圏保全のために開発・創成することも目的とする。

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