H21年度京都大学森林科学公開講座

森と、地球と、それから私

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講 演 会(31日)
 
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プログラム 平成21年10月31日 土曜日−講演


受付開始: 9:30〜 

10:00〜11:00
「次世代の森の恵み
  ―バイオ燃料から工業原料まで―」
森林代謝機能化学分野 梅澤俊明
 食糧資源の液体燃料化は既に世界的な社会問題を引き起こしており、非可食資源である木質からのバイオエタノールや工業原材料の生産に関する必要性と関心が近年世界的に頓に高まっている。さらに、昨今の経済危機を乗り越えるために、米国では経済の新規まき直しを自然エネルギーの導入により達成する、グリーンニューディールと呼ばれる政策に舵を切り始めている。今後人類が生存を続けるうえで必須の森の恵みである木質の生産と利用に関する今後の展望について説明したい。

11:00〜12:00
「木の肌、木の艶」
林産加工学分野 奥村正悟

 木材の材料としての特徴の一つは、美しく削った表面そのものが製品としての価値を生み出すことにあります。しかし、木材を美しく削ることはそれほど容易ではなく、その美しさを客観的に評価することも簡単ではありません。そこで、切削加工の立場から、削った表面の評価法、美しく削るために必要な条件、木の艶として表現されるものの正体などについて、宮大工の技や研究成果の紹介を交えて、一緒に考えてみたいと思います。
13:15〜14:15
「森といかにつきあうか
  −これからの森林資源利用−」
森林育成学分野 長谷川尚史

 森林生態系には人間に利益をもたらす様々な機能があり,それらは「森林生態系サービス」と呼ばれています。ここではそのうち,人間が最も古くから享受してきた「供給サービス」,すなわち森林が木材を生産する機能について,日本における歴史と世界の中での現状を通して見つめ直し,未来社会の中で森林とどのようにつきあっていくべきかについて,考えてみたいと思います。

14:15〜15:15
「樹木を支える細胞」
樹木細胞学分野 粟野達也

 樹木の幹の細胞は木材、紙、繊維等として古くから私たちの日常生活を支えています。しかし、何よりもまず、これらの細胞は樹木を力学的、生理的に支えているのです。形成層から派生する樹木の幹の細胞について、その本来の役割を理解することは、樹木の有効利用に役立つにちがいません。講義では樹木の幹を構成する細胞の支持機能、貯蔵機能についていくつかの例について考えてみます。

15:30〜16:30
「電磁波を用いた地球大気環境計測」
大気圏精測診断分野 古本淳一

 光や電波と言った電磁波は大気中を通過する際に屈折、散乱、反射など様々な変化をします。この特性を利用して大気状態を診断する観測データを得ることができます。本講座では、こうした電磁波を用いた地球大気計測手法について紹介します。さらに近年取り組んでいる森林上空の大気を計測する研究例についても紹介します。


京都大学生存圏研究所/京都大学大学院農学研究科森林科学専攻共催