日時: 2015(平成27)年3月7日 (土) 14:00–17:30
場所: びわこ成蹊スポーツ大学
主催: 京都大学生存圏研究所・京都大学学際融合教育研究推進センター
共催: 滋賀県
後援: 滋賀県琵琶湖環境科学研究センター、滋賀県教育委員会、大津市、高島市、長浜市、大津市教育委員会、高島市教育委員会、長浜市教育委員会
申請代表者: 古本淳一 (京都大学生存圏研究所)
所内担当者: 古本淳一・東邦昭 (京都大学生存圏研究所)
大気圏精測診断分野・レーダー大気圏精測診断分野。
琵琶湖西岸に吹く強風である「比良おろし」という大気現象をめぐり産官学公の様々なステークス・ホルダーとの対話を重視したトランス・ディシプリナリー研究の確立を目指したワークショップを開催した。
申請者らは第一弾として、2014(平成26)年 3 月 27 日に滋賀県で第一回比良おろしワークショップを開催した。これが嚆矢となり、滋賀県交通政策課との協力関係が構築され、滋賀県知事の支持のもと県庁内に「湖西線利便性向上プロジェクト」が結成された。
本申請者らは、高精細気象予報モデルという最先端科学技術を武器として、突風災害にレジリエントに対応する社会形成のための学際融合研究に取り組み始めたが、上記の取り組みを経て、湖西線に関わるさまざまなステークス・ホルダーによる知恵を持ち合い突風被害に強靭な社会形成に向けた研究グループが必要であると強く感じ、文系研究者や学外ステークス・ホルダーとの共同研究の立ち上げに着手した。
今回のワークショップはそのためのキックオフ的意味を持ち、今後のトランス・ディシプリナリー研究体制の構築を目指す上で、極めて重要なものであった。
本ワークショップでは、地域住民、自治体(県、市町村)、産業界、文系・理系の研究者が問題意識を共有し、すべてのステークスホルダーの問題の共有と相互理解を通じて問題の具体的解決にむけた取り組みの現状と、今後の進め方を広く議論を行った。
近年の生存基盤研究は文理融合だけに留まらず、幅広くステークス・ホルダーを捉えるトランス・ディシプリナリー研究への志向が強まっている。例えばユネスコは、ESD (持続可能な開発のための 10 年)終了後の研究方向性として、トランス・ディシプリナリー性をより重視したフューチャー・アースを提唱している。このような新しい科学像形成に向けた研究の第一歩を踏み出せたと考えている。
生存圏を新たに開拓・創成するための先進的技術開発を目指す分野横断的な学際総合科学としての側面が強く、学内外の研究者はもとより、市民、行政、産業界が会する貴重な機会であり、生存圏研究所の所員や特に学生が関わることでき、生存圏科学のコミュニティー・ネットワークの発展へ貢献できたと考えている。
総合司会: 古本淳一 (京都大学生存圏研究所) | ||
14:00–14:15 | 挨拶・趣旨説明 | |
14:15–15:15 | 基調講演 「比良おろしと住民参加による環境研究の30年」 嘉田由紀子氏 (びわこ成蹊スポーツ大学学長・前滋賀県知事) 松井一幸 (琵琶湖地域環境教育研究会) | |
15:15–15:35 | 「比良おろし予測向上への取り組み」 東邦昭・古本淳一 (京都大学生存圏研究所) | |
15:35–15:55 | 「比良おろし適応型社会の形成に向けて —災害リスク・自然との共生・参加型まちづくり」 宮永健太郎 (滋賀県琵琶湖環境科学研究センター) | |
15:55–16:25 | 「科学技術イノベーション(STI)政策に向けた市民との対話・協働の取組み」 吉澤剛 (大阪大学医学系研究科) | |
16:25–17:25 | パネルディスカッション パネリスト: 嘉田由紀子、松井一幸、吉澤剛、松井朗 (大津市立小松小校長)、東邦昭 ファシリテーター: 古本淳一、宮永健太郎 | |
17:25–17:30 | 閉会挨拶 |
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