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第206回生存圏シンポジウム
大震災から考えること —木質構造に着目して—

日時・場所

日時: 2012(平成24)年6月28日 (木) 13:30–17:40
場所: 京都大学生存圏研究所 木質ホール3階
主催者: 神渡 (東京理科大学)
申請代表者: 神渡 (東京理科大学工学部・助教)
所内担当者: 拓郎 (京都大学生存圏研究所生活圏構造機能分野)

関連ミッション

関連分野

建築、木質材料、木材、住宅、設計事務所。

目的と具体的な内容

2011 年 3 月 11 日 14 時 46 分 18 秒に発生した「東北地方太平洋沖地震」を始まりとした「東日本大震災」から 1 年 3 ヶ月ほど経過しました。この度の震災は、建築単体というよりも、都市のあり方をも考えさせられるものでありました。これからも、都市を形成する個々の建物は存在し、それに住まう住民がいることに変わりはありません。そのため、大きな議論に翻弄されるのではなく、個々の基盤となる住宅や建築物への考えを定めることも重要な課題であると考えます。本シンポジウムでは、個々の建築物である木質構造に着目し、各研究者に様々な角度から話題を紹介して頂き、震災に関する適切な理解を深めることを第一の目的としています。その上で、会場の方々を交えて木質構造ができることについてディスカッションを行うことを目的としている。

本シンポジウムでは、青木氏(森林総研)、田村氏(京都大学防災研)、浅野氏(京都大学防災研)、中川氏(建築研究所)の4名を演者として迎え、大震災における木質構造の地震と津波における被害、液状化被害、強振動の特性について、基礎知識・調査結果などを発表していただいた。後半には、前出の 4 名に南氏を加えた5名のパネラーで、神戸をコーディネータとして、パネルディスカッションを行った。その場では南氏からは、応急仮設住宅などの復旧に向けた活動について発表をいただいた。それらを踏まえ、これからの木質構造に必要なこと、木質構造してできることなどについて様々な意見交換・討論などを行った。

生存圏科学の発展や関連コミュニティの形成への貢献

生存圏科学のミッション 4 にあたると考えられる、木質材料・木質構造を主題とした大震災に関するシンポジウムを行った。もともとの木質構造の分野からさらに幅広い理解を得るために、地震特性・液状化特性に関する内容も扱った。他分野との情報交換を行うことで、新しいコミュニティ形成に貢献したものを考えている。

パネルディスカッションでは、研究者・実務者・学生と幅広い立場の方々から数多くの質問を受け、議論・意見交換を行った。特に本シンポジウムでは、これまで直接情報交換をする機会が少なかったと思われる、分野の異なる研究者が発表したため、演者・参加者は新たな発見をすることができた。また、震災に対して、これからできることややるべきことなどについて検討できた事も成果として大きいと考える。

今後の研究のシーズやニーズについて、異なる分野の知見を共有できたことで、新たな展開や研究プロジェクトなどの発展が期待できると考える。

プログラム

13:30開催挨拶 東京理科大学工学部 助教 神
13:35–14:20「地震動による木造建築物の被害とその要因」
森林総合研究所 主任研究員 青木謙治
14:20–15:05「浦安市における液状化被害」
京都大学防災研究所 准教授 田村修次
 
15:05–15:15
 
15:15–16:00「強震動とその生成メカニズム」
京都大学防災研究所 助教  浅野公之
16:00–16:45「木造建築物の津波被害と耐津波性能」
建築研究所 主任研究員    中川貴文
 
16:45–16:55 休憩・会場設営
 
16:55–17:35ディスカッション
司会: 神戸(前出)
青木謙治(前出),田村修次(前出),浅野公之(前出),中川貴文 (前出)
里仁舎 代表取締役 宗和
17:35閉会の挨拶・閉会 京都大学生存圏研究所 助教 拓郎
 
18:00討論会
会場: 木質材料実験棟3階

Symposium-0206ポスター PDF ファイル (2 752 239 バイト)
ポスター制作: 野田史博 (京都大学生存圏研究所生活圏構造機能分野)