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第67回定例オープンセミナー資料

2008年1月16日

題目

植物の間接防衛戦略を雨よけハウス内の害虫防除に応用しよう!

発表者

高林純示 (京都大学生態学研究センター・教授)

要旨

京都大学生態学研究センター、農業・生物系特定産業技術研究機構の 3 センター(中央農業総合研究センター、近畿中国四国農業研究センター、九州沖縄農業研究センター)、曽田香料、四国総合研究所という産官学 6 機関からなる研究チームは、平成 14 年度から 18 年度まで生研センターの「生物系産業創出のための異分野融合研究支援事業」の補助を得てコンソーシアムを結成し、植物の間接防衛戦略を応用し、農業害虫の天敵の行動を人為的に活性化することで、農薬の使用を減らした環境に優しい害虫管理技術を確立することを目指して研究を進めた。

技術の実施ターゲットは、日本の農地の約 4 割を占める中山間地の少量多品目生産農家とした。このような中山間地の一つである京都府美山町において、植物由来の揮発性の天敵行動制御物質を効果的に利用した減農薬害虫防除技術の開発を進めた。具体的には、京都の伝統野菜と言われるハウス栽培ミズナにつく難防除害虫であるコナガを、その天敵であるコナガサムライコマユバチの行動制御で防除しようというものである。

ここではコンソーシアム5 年間の成果について概説したい。