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2016(平成28) 年度 生存圏科学 萌芽研究 15

更新日: 2016/08/03

研究課題

木質バイオマス素材のサブナノ・ナノ・ミクロ構造制御による工業材料化技術の開発

研究組織

 代表者 三木恒久(国立研究開発法人産業技術総合研究所)
 共同研究者 金山公三(京都大学生存圏研究所)
梅村研二(京都大学生存圏研究所)
田中聡一(京都大学生存圏研究所)
杉野秀明(京都大学生存圏研究所)
雅子(国立研究開発法人産業技術総合研究所)
ロジャース有希子(国立研究開発法人産業技術総合研究所)

研究概要

本研究は、産業技術総合研究所(産総研)と京都大学生存圏研究所循環材料創成分野(生存研)で開発を進めている「木材の流動成形技術」の高度化のために、①成形助剤となる機能化添加剤の天然由来物質への代替技術、②素材含浸性・成形品意匠性向上のための調色(素材の脱・着色)技術ならびに③流動成形品の高耐久化技術の開発を行う。

流動成形は、木質細胞相互の位置変化によって素材へ大変形を付与できるが、その良好な実現には細胞壁だけでなく細胞界面(細胞間層)の物理的・機械的特性の把握・制御が重要である。特に、含浸処理などによって素材へ特定の添加剤(樹脂)を導入するプリプレグ工程において、細胞壁内や細胞間層に有効成分を浸入・反応させることで、変形性能・成形性や耐水性、強度などが著しく向上することを見出している。しかしながら、現在、使用可能な添加剤はフェノール樹脂やメラミン樹脂などの石油由来樹脂であるため、天然由来物質への代替が求められている。さらに、成形品の意匠性向上のための色制御についての技術開発、成形品使用時の環境変化による耐久性能の明確化などが求められているため、本研究ではそれら課題の解決に寄与する基盤技術の開発を行う。技術開発における科学的アプローチとして、木質バイオマス素材と添加剤、染料や顔料などとの相互作用についてサブナノ~ミクロレベルでの構造変化・物性変化を検討しながら、各種添加剤やプリプレグ材調整条件の導出を行う。

経験と勘に依存する従来の木材処理技術を鑑みて、科学的根拠に基づく木質バイオマス素材の調整と成形技術を開発することによって、工業材料として各種用途に使用可能な木質製品の創出を目指す。

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2016年8月3日作成

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