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2007(平成19) 年度 生存圏科学 萌芽研究 3

更新日: 2017/09/22

研究課題

2007(平成19)年度萌芽ミッションプロジェクト 3
大気圏・生物圏・森林圏におけるフィールド計測のためのレーザー分光技術の開拓
Development of laser spectroscopy technique for field measurements in the atmosphere, the biosphere and the forest.

研究組織

 代表者 中村卓司 (生存圏研究所)
 共同研究者 高橋けんし (次世代開拓研究ユニット)
塩谷雅人 (生存圏研究所)

研究概要

生存圏研究所が人類の持続的発展をめざして取り組んでいる 4 つのミッションのひとつである「環境計測・地球再生」ミッションでは、大気圏の計測が重要な要素となっている。その計測の範囲を森林圏・生物圏へと拡大し、圏間の物質輸送・エネルギー輸送や相互作用を観測して地球再生への方向性を捉えることが火急に必要となっている。本研究では、レーザー技術をキーワードに、フィールド観測のための新しい計測装置を技術開発することを目的とする。開発は、大気圏・森林圏・生物圏における大気微量成分の遠隔および近接観測に焦点を当て、レーザーレーダーによる遠隔計測と、レーザー分光によるフィールド近接観測の 2 つの課題を中心に、フィールド展開の可能性を探る。

遠隔観測においては、これまで生存圏研究所・信楽 MU 観測所で開発してきた大型ラマン・ミー・レイリーライダー、また小型のラマンライダー装置の観測で車載型のラマンライダーを開発して、水蒸気混合比やエアロゾル(後方散乱比)の大気境界層内での空間時間変化を観測することに応用してきた背景を受け、本課題ではさらに装置を小型化して森林圏での計測、すなわち林地でのフィールド計測を行なうための装置の開発や改良、さらに今後種々の微量成分の計測に発展させるための基礎データを得ることを目標とする。レーザー分光による近接観測においては、大気圏・森林圏・生物圏の化学過程において重要な役割を担っている窒素酸化物や二酸化炭素などの微量成分をターゲットとし、従来のガスクロや質量分析では困難であった、フィールドでのオンサイト計測を高い時間分解能で行うことができるような、独自の光学計測技術の開拓を目標とする。超長光路レーザー吸収分光法やレーザー誘起蛍光分光法などを用いて、先端的なフィールド計測装置を開発するために、新しいレーザー計測技術を探究する。

これらの技術開発は、とくに生存圏研究所でも重点研究フィールドとなっている熱帯域の森林、とくにアカシアマンギウム人工林などのフィールドでの物質循環の計測への応用を目指すものである。

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2007年11月22日作成

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