研究課題
2005(平成17)年度萌芽ミッションプロジェクト 2
生物肥料効果が期待される難水溶性リン酸塩の可溶化能力が高い菌類の選抜
研究組織
代表者 | 服部武文 (生存圏研究所) |
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共同研究者 | 梅澤俊明 (生存圏研究所) Erman Munir (ノーススマトラ大学) 岩瀬剛二 (株式会社関西総合テクノス) |
研究概要
本研究は、インドネシアにおける熱帯早生樹の植林において、生物肥料として効果を発揮できる可能性のある軟水溶性リン酸塩の可溶化能力をもつ外生菌根菌及び木材腐朽菌を、インドネシアの森林より採取する事を目的とする。これらの菌は樹木のリン吸収を促進し、ひいては樹木の生育を助けることが期待される。インドネシア北スマトラ大学演習林に生息する難水溶性リン酸塩可溶化能力を持つと期待される菌類を、木材腐朽菌を中心に 50 菌株を単離した。それらは、子実体の形態的な特徴から Polyporus 属 2 種、Trametes 属 3 種、Mycena 属 2 種、Cyathus 属 1 種、Auricularia 属 1 種、Marasmielus 属 1 種、Pleurotus 属 1 種、Geastrum 属 1 種、Schizophyllum 属 1 種、Marasmius 属 1 種と考えられた。しかし、外生菌根菌を単離できなかった。そこで、インドネシア MHP 社の Subanjeriji におけるアカシア林にて外生菌根菌の単離を再び試みたが、子実体を見出せなかった。この子実体の取得は現在現地の協力研究者と共に続行することとした。単離した木材腐朽菌の難水溶性リン酸塩可溶化能力に関しては、現在リン酸カルシウムを用いて検討中である。一方、現地を訪問することにより、本課題に関する直接的な成果ではないが、アカシア森林の場合 Ganoderma 属菌による根腐れによる被害も無視できない問題であることを確認した。