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2009(平成21) 年度 生存圏科学 ミッション研究 7

更新日: 2017/09/18

研究課題

熱帯産業造林におけるバイオマス生長量の動的評価に関する調査研究

研究組織

 代表者 川井秀一 (京都大学・生存圏研究所)
 共同研究者 R. Widyorini (Gadjah Mada Univ.)
EB. Hardiyanto (Gadjah Mada Univ.)
B. Subiyanto (LIPI)
A. Firmanti (Res. Inst. for Human Settlements)
大村善治 (京都大学・生存圏研究所)
治 (京都大学・東南アジア研究所)
小林祥子 (京都大学・東南アジア研究所)

研究概要

関連ミッション: インターミッション

インドネシアスマトラ島南部における 30 万 ha のアカシア産業造林地をフィールドとし、バイオマス生長量の評価、樹木の生長と気象の関係、人工林における生物多様性評価など、大気圏、生物圏、人間圏の圏間相互作用を明らかにして、生存圏の俯瞰的把握を目指す総合的プロジェクトが 2004 年より実施されている。

本研究は、熱帯域の森林圏および大気圏の炭素、水など物質循環への関与が深い早生樹植林のバイオマス生産について、その「持続性」に関する動的解析を目的にしている。これまでインドネシア科学院 (LIPI) ならびに MUSI HUTAN PERSADA (MHP) 社と共同研究を通じて継続的に実施してきた地上観測の調査(写真 1 参照)に加えて、広域での解析のために衛星リモートセンシング技術を応用した森林バイオマスの評価手法の開発を行う。すなわち、ランダムに設置された地表のサンプル区域の樹木生長量のデータについて地上データの拡充とバイオマス生長量の高精度解析をおこない、これを衛星データと関連づけて衛星リモートセンシング手法の開発に取り組む。後者については、大気水蒸気量・雲被覆の影響を受けにくいマイクロ波リモートセンシング技術を用いて、森林資源の把握を行なう。マイクロ波衛星データを主な情報源とし、地上観測データおよび光学衛星リモートセンシングデータの効果的利用と、GIS (地理情報システム)を用いた複合的な解析により、森林バイオマス量を推定する。マイクロ波衛星のデータ解析には、フィールド調査による森林データ(胸高直径・樹高等)が不可欠であり、加えてマイクロ波の散乱・吸収に大きく影響を及ぼす森林キャノピーの把握に必要な光学衛星データの補完的利用が、有効なアプローチとなる。本研究では地表面からのマイクロ波散乱強度のデータに加えて、散乱波の偏波情報を用いるレーダポラリメトリを応用した解析手法の構築とアカシア林の幹体積・枝体積の把握に重点を置く。

川井秀一 2009-07写真 1 地表 30 m のファイヤータワーからスバンジリジ地区を望む

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2009年10月9日作成

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