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2009(平成21) 年度 生存圏科学 萌芽研究 10

更新日: 2017/09/22

研究課題

アーティフィシャル酸化酵素の創製とバイオリニューアブル化学工業の為のリグニン精密酸化分解

研究組織

 代表者 高谷光 (京都大学・化学研究所)
 共同研究者 渡辺隆司 (京都大学・生存圏研究所)
中村正治 (京都大学・化学研究所)
石塚賢太郎 (京都大学・生存基盤科学研究ユニット)

研究概要

有機電子材料や医農薬中間体の生産技術は日本の化学産業の次代を支える基盤技術である。現在のところ、これらの高機能・高付加価値化合物の生産は、化石資源による芳香族化合物の供給に依存しているが、これを再生可能なバイオリニューアブルな化学資源から供給する基盤化学技術の開拓が急務である。本提案課題では木質由来のリグニン類を精密分解するための人工酵素を開発し、芳香族原料および有用芳香族化合物をバイオマスから供給する化学工業実現の可能性を検証する。

リグニンはフェニルプロパノイドが重合した芳香族単位をふんだんに有する巨大生体高分子であり、セルロースなどの糖鎖高分子とともに主要構築要素として植物本体を形作っている。しかしながら構造の明確なセルロース等とは異なり、リグニンは不定形巨大高分子であるため、これまで錯体触媒を用いるような精密分子変換の対象として注目されることはほとんど無かった。申請者らはリグニン(巨大高分子)の直接分解というトップダウン型の研究と、構成単位であるリグニンダイマー(分子)を用いるボトムアップ型研究という方向性の異なる2つの研究を並行推進することよって、構造や反応性に未知の部分が多いリグニンの触媒的分解反応に関する包括的な理解が可能であると考え、1) 木材から抽出した高分子量のリグニン(ボールミルドリグニン、オルガノソルブリグニ)を用いて酸化的分解によって芳香族成分を与える人工酵素の開発、および 2) リグニンの主要構成単位である低分子量のリグニンダイマーをモデル基質とする酸化分解反応開発と精密な反応機構研究を並行して行う。

高谷光 2009

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2009年9月15日作成

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