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2010(平成22) 年度 生存圏科学 ミッション研究 20

更新日: 2017/09/20

研究課題

担子菌 Trametes versicolor RC3 株の発酵阻害物質分解性ラッカーゼ遺伝子の単離・同定と異種発現解析

研究組織

 代表者 渡邊崇人 (京都大学生存圏研究所)
 共同研究者 Chartchai Khanongnuch (Chiang Mai Univ.)
Woottichai Nachaiwieng (Chiang Mai Univ.)
関連ミッション
  • ミッション 2 (太陽エネルギー変換・利用)

研究概要

研究代表者の所属する研究室では,熱帯アジアの微生物資源の多様性に注目し、木質バイオマスからのバイオエタノール生産に有用な特に担子菌とその新規な機能について精力的に研究を行ってきた。その中でもタイで単離された 42 ℃でも生育可能な担子菌 Trametes versicolor RC3 株のラッカーゼ(リグニン分解酵素の一種)画分が木質バイオマス前処理後の発酵プロセスの阻害物質を分解することを明らかにした。この発酵阻害物質は、フルフラール、バニリン、5-ヒドロキシメチルフルフラール等様々であるが、昨今の研究では、これらの分解(解毒、耐性)遺伝子の探索・同定が行われ、逐一酵母に導入してはその阻害を克服するという印象がある。しかしながら、木質バイオマスから有用物質を生産する場合、いつも同じ原料で生産できるとは限らないことから、ユニバーサルに発酵阻害物質を分解する方法が求められる。そこで、本研究では、RC3 株より発酵阻害物質の分解活性やスペクトルが大きいラッカーゼの探索とその遺伝子の単離・同定を行う。また、キシロースはリグノセルロース系バイオマスの主要な構成成分であることから、キシロース発酵性酵母 Pichia pastoris にて単離したラッカーゼ遺伝子の発現を行う。なお、RC3 株が高温で生育可能であることから本ラッカーゼも耐熱性であると予想され、大量に精製できれば、糖化(45 ℃)と発酵阻害物質の分解を同時かつ高効率に行えると期待される。

渡邊崇人: 2010(平成22)年度 生存圏ミッション研究

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2010年7月30日作成,2011年6月13日更新

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