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2010(平成22) 年度 生存圏科学 萌芽研究 2

更新日: 2017/09/22

研究課題

揮発性物質が媒介する植物間情報ネットワークのメカニズム

研究組織

 代表者 有村源一郎 (京都大学理学研究科)
 共同研究者 矢崎一史 (京都大学生存圏研究所)
敦 (京都大学理学研究科)

研究概要

生態系における植物と昆虫の相互作用は、植物の香りを介した送粉、産卵、捕食と被食などの自然現象に見出すことが出来る。そういった相互作用には、植物が害虫からの食害を受けた際に、揮発性化合物(HIPV: Herbivore-Induced Plant Volatile)を大気環境に放出し、害虫の天敵生物(寄生蜂、捕食性昆虫など)を呼び寄せて害虫を退治する現象が含まれる。また、食害によって誘導される HIPV は植物間のコミュニケーションのための情報化学物質として機能することも知られ、刺激された植物は害虫に対する防御応答を向上させることができる(プライミング効果)。したがって、HIPV は植物と害虫、天敵および植物間の相互作用における情報化学物質として生態系維持に役立つものとが考えられる。本研究では植物-昆虫間の情報伝達の役割を担うテルペンの生合成遺伝子(リママメ由来のオシメン合成酵素)を恒常的に過剰発現させた組換えタバコを用いた研究を実施する。これら組換え植物が放出する香り成分(オシメン)が植物間コミュニケーションにどのように作用し、生態系構築にインパクトを与えるかについて詳細に解析する。これらの組換え植物を利用した生物間相互作用に係わる研究は生存圏科学に大きく資するものである。

有村源一郎: 2010(平成22)年度 生存圏科学萌芽研究害虫の食害によって植物から放出されるHIPVを介した植物間コミュニケーション

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2010年7月30日作成

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