研究課題
木材および木質内装の見えに関する実大検証
研究組織
代表者 | 仲村匡司 (京都大学農学研究科) |
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共同研究者 | 川井秀一 (京都大学生存圏研究所) 木村彰孝 (京都大学生存圏研究所) 東賢一 (近畿大学医学部) 萬羽郁子 (近畿大学医学部) 藤田佐枝子 ((有)ホームアイ) |
関連ミッション |
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研究概要
「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が施行され、低層公共建築物の構造材だけでなく、人が直接見たり触れたりする内装、家具にも、できるだけ木材を使うことが求められるようになった。木材自給率 50 % の達成を目指して、国産材による建築内装の木質化や木製品の導入が法的な圧力とともに今後進められるであろうが、このとき、単に木材を沢山使うことを優先する量的発想に陥ること(節だらけ、木だらけの部屋が視覚的に快適か? 過ぎたるは及ばざるがごとし)なく、人の評価軸を考慮した木材の導入が図られるべきである。これを実現するためには、実大内装に実装された木材の見えを客観的に調べることが必要不可欠である。
申請者は、木材による人の感性刺激性能(特に視知覚に関するもの)を定量的に評価するための基礎研究を行ってきた。本研究は、申請者がこれまでラボベースで行ってきた研究手法を拡大転用し、実大内装空間における木材および木質材料の見えを定量的に評価、居住者にちょうどよい木質内装デザインを科学的根拠に基づいて提案するものである。
今回は、スギ材で内装された実空間を用いて、(1)意匠性に難のある木材を実装するためのデザイン手法の提案、および、(2)木質内装の見えがヒトの心身に及ぼす影響について、ヒトの認知反応および生理応答の測定を含む調査・実験を多面的に行い、木質内装の見えのプラスの効果を実証する。
本研究は、人間の生活圏における木材および木質材料の重要性を検証すると共に、その技術開発が資源の持続性確保や環境保全に資する意義を有している。森林圏の保全と木質資源利用に関わる居住圏科学の学際総合領域であり、生存圏科学の重要なエレメントである。
スギ材による実大木質内装室とこれを観察する被験者の視線移動の例
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2011年8月3日作成