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2013(平成25) 年度 生存圏科学 ミッション研究 17

更新日: 2017/09/20

研究課題

木質系DLC被膜による低軌道宇宙環境耐性の向上

研究組織

 代表者 畑俊充 (京都大学生存圏研究所)
 共同研究者 田川雅人 (神戸大学工学研究科)
小嶋浩嗣 (京都大学生存圏研究所)
梶本武志 (和歌山県工業技術センター)
関連ミッション
  • ミッション 3 (宇宙環境・利用)
  • ミッション 4 (循環型資源・材料開発)

研究概要

低軌道(LEO)を周回する宇宙機で使用する宇宙用材料には原子状酸素(AO)等の複合宇宙環境下で急速な劣化を生じることが知られているために、衛星寿命末期でも機能を維持するための高い耐複合宇宙環境性が必要である。木質炭素化物には宇宙環境で必要とされる様々な機能(電気や熱の伝導性、電磁波遮蔽性など)を有しており、LEO を航行する宇宙機の機能性材料に適用できる。木質炭素化物においては、無酸素下で高温高圧処理によって得られる真空中でも揮発ガスを発生させる恐れがないことから分子コンタミネーションを防止することができる。

木質由来の炭素化物の利点活用に加え、Si を用いて無機物由来の利点を付加することにより先端的材料開発を行う。本研究では表面への Si 付加は現有のスパッタリング装置により木質炭素化物をDLC(ダイヤモンドライクカーボン)化することによって、材料(木質炭素化物と DLC 膜)の密着性を向上した材料開発を行い、神戸大学に整備されている低軌道宇宙環境模擬装置を用いて原子状酸素を照射した試料について分析を行う。宇宙環境劣化を地上模擬しているため AO 照射に対して Si が酸化膜を形成、自己修復機能を付与した機能性木質炭素化物の開発をすすめる。Si 添加条件の異なるターゲットを用いて作製した薄膜の Si-C、O-Si-C、O-Si-O 結合が耐酸化性に及ぼす影響を XPS、RAMAN により分析し考察を行う。

畑俊充: 2013(平成25)年度 生存圏ミッション研究 図 1図 1 スパッタリング装置

畑俊充: 2013(平成25)年度 生存圏ミッション研究 図 2図 2 (a)サンプルへのスパッタリングの照射と(b)スパッタリングの模式図

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2013年7月30日作成

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