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2018(平成30) 年度 生存圏科学 ミッション研究 25

更新日: 2018/07/28

研究課題

インドにおける雨滴粒度計の比較による地形性降水過程の国際共同研究

研究組織

 代表者 村田文絵(高知大学理工学部)
 共同研究者 橋口浩之(京都大学生存圏研究所)
徹(香川大学教育学部)
田上雅浩(芝浦工業大学土木工学科)
Caustav Chakravarty (Indian Institute of Tropical Meteorology)
Hiambok Jones Syiemlieh (North-Eastern Hill University)
関連ミッション
  • ミッション1 環境診断・循環機能制御

研究概要

インドモンスーン域の降水活動はインドモンスーンを形成、駆動し、アジアモンスーンの最も重要な構成要素として、アジア域の巨大な人口の生存と生活を左右している。面的な降水活動のモニタリングにおいて気象レーダーやマイクロ波放射計によるリモートセンシング観測が威力を発揮するが、それらの観測データから雨量に変換する際には雨滴粒度分布の推定が必要になる。しかし雨滴粒度分布は地域によっても、季節、降水タイプによっても異なることが知られている。

本研究の対象地域であるインド北東部では、この雨滴粒度分布が特殊であることによると思われる50 %以上の降水量の過小評価が、人工衛星搭載レーダー(TRMM/PR)による推定雨量に生じていることが地上に設置した雨量計との比較からわかった(Terao et al. 2017)。世界の様々な地域の地形性降水においてもレーダーによる推定雨量が実際の雨量に比べて過小評価となっていることが報告されており、本地域の結果と一致している。予想される雨滴粒度分布は数と大きさに特徴があり、他地域に比べて小さく数が多い雨滴粒度分布である可能性が指摘されているが十分な観測による裏づけがない。本研究ではインド熱帯気象研究所との共同研究で光学式とインパクト式の2種類の雨滴粒度分布計を2017年5月にインド北東部の地形性降水による大雨地域に設置し本地域の雨滴粒度分布の調査を開始した。

雨滴粒度分布の特徴の解析に最近開発されたDolan et al. (2018)の手法を適用する。これは雨滴粒度分布に関する6つのパラメータに主成分分析を行うことで、仮定なしに降水タイプを分類する。また基本的には降水強度に大きく依存する雨滴数と代表粒径の特徴に対して降水強度と独立なパラメータが導出されることにより、対象が小さく数が多い雨滴粒度分布か大きく数が少ない雨滴粒度分布かを議論できる点で、雨滴粒径と雨滴数に特徴をもつと予測される対象地域の地形性降水の特徴を際立たせる解析結果が期待される。

村田文絵: 2018(平成30)年度生存圏ミッション研究 図光学式とインパクト式の2種類の雨滴粒度分布計を用いてインドの地形性豪雨地域の雨滴粒度分布の特徴を明らかにする。

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2018年7月27日作成

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