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2018(平成30) 年度 生存圏科学 ミッション研究 7

更新日: 2018/07/28

研究課題

表面機械加工による木質材料の接触温冷感の制御技術の開発

研究組織

 代表者 小畑良洋(鳥取大学大学院持続性社会創生科学研究科)
 共同研究者 金山公三(京都大学生存圏研究所)
梅村研二(京都大学生存圏研究所)
田中聡一(京都大学生存圏研究所)
関連ミッション
  • ミッション4 循環材料・環境共生システム
  • ミッション5 高品位生存圏

研究概要

我々の先行研究として,木材の長所として接触温冷感を取り上げ,その定量的評価の物理量として接触面温度を理論的に導出し,支配的な物性値が熱浸透率であることを明らかにしてきた。また,木材の熱浸透率を熱流束の測定から簡易的に見積もることができる可能性も示してきた。その熱流束測定の対象として,表面が浮造り加工された複合床材が含まれるが,浮造り加工の山の間隔よりも溝が深いほど熱流束が小さいという結果を得た。これは,表面加工の度合いにより熱流束を制御できる可能性を示唆している。しかしながら,浮造り加工は早材部分が削られ溝となり,晩材部分が山として残るもので,間隔や深さを定量的に捉えることは困難である。

本研究では,溝の深さや間隔を変えて表面を加工した木質材料や樹脂に,人体を模した加熱装置を接触させた時の熱流束を測定し,加工度合いと熱流束の関係を定量的に捉えようとするものである。同時に,数値計算的にも検討を加え,表面機械加工により熱流束を制御する設計指針を得ることを目的とする。

本実験では,加熱体から機械加工された木質材料への熱の流れを対象とするが,自然の状態では高温物体から低温物体へと熱は流れるから,人体よりも高温になる夏季のウッドデッキの人体側への熱流の最適制御にも応用できる可能性がある。

なお,本研究は,木材の長所を定量的に評価することでその利用を促進し,「伐採→植林→育林」の循環サイクルに寄与しようとするものである。その結果,森林がCO2の炭素固定化能力が高いとされる若い状態に維持されることにもなり,環境共生とバイオマテリアル利活用を両立させることにつながる。さらに,木質材料の接触温冷感の制御は人間の生活圏における安全・安心につながる技術でもあり,高品位生存圏の構築推進にも大いに寄与しうる。

小畑良洋: 2018(平成30)年度生存圏ミッション研究 図

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2018年7月27日作成

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