menu

2013(平成25) 年度 生存圏科学 萌芽研究 13

更新日: 2017/09/23

研究課題

局地的極端気象予測を目指したスケーラブルな数値予報クラウド・アプリケーション

研究組織

 代表者 古本淳一 (京都大学生存圏研究所)
 共同研究者 櫻井渓太 (日本気象株式会社)
橋口浩之 (京都大学生存圏研究所)
邦昭 (京都大学生存圏研究所)
衛 (京都大学生存圏研究所)

研究概要

近年の地球環境変化により災害をもたらすような極端気象現象の頻度は増加しており、今後も増加の可能性が予測されている。こうした極端気象は現象のスケールが小さく寿命も短いことから予測が難しく、最先端の研究開発が進められている。この精密な予測には現象を解像できる最先端の観測技術開発と高精細シミュレーションが極めて重要である。起伏や地表面状態の多様性に富む我が国では、地形の影響を受けて発生する災害の頻発地域が全国に散在している。豪雨、突風など安全・安心を脅かす災害の種類は地域によっても異なる。さらに頻発域内でも発生に偏在性があることも知られようになってきた。局地災害の微細構造を全国を対象にした広範囲の気象予報モデルで解像することは、膨大な計算機能力を必要とするため非現実的である。このため領域を区切った子モデルを作成し、親モデルの結果を利用して詳細なシミュレーションを行う手法が有効である。こうした現状を踏まえ、本研究では大気観測、数値シミュレーションと最先端の ICT 技術を融合させて、現在発展の極めて著しい「クラウド」技術に着目し、クラウド上の計算機やストレージ資源を活用して、必要な時に必要なだけ資源を利用して災害の蓋然性が高い時期、場所に限定した高精細数値予報モデルを走らせることが出来るクラウド・アプリケーションを構築する。

従来、天気予報に使われる数値予報シミュレーションは一般の研究者には構築や運用が難しいものであった。しかしながら、近年数値予報モデルのオープンソース化がおこなわれ、多くの研究者の手により拡張や改良が行われるようになり、一般の研究者がプログラムの入手やシミュレーション環境の構築を行えるようになった。一方で、近年のクラウドサービスの急速な進展は、ウェブベースで極めて容易に HPC 環境を整えることも可能になった。本課題ではこれらを組み合わせることで、局地的な天気予報を求めるユーザーに各自のニーズに合わせた数値予報モデルによる天気予報を可能とする基盤技術を確立する。

ページ先頭へもどる
2013年8月7日作成

一つ前のページへもどる

〒 611-0011 京都府宇治市五ヶ庄
TEL: 0774-38-3346 FAX: 0774-38-3600
E-mail: webmaster@rish.kyoto-u.ac.jp