研究課題
インドモンスーン域における豪雨特性解明のための二種類の雨滴粒度計を用いた国際共同研究
研究組織
代表者 | 寺尾徹(香川大学教育学部) |
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共同研究者 | 橋口浩之(京都大学生存圏研究所) 村田文絵(高知大学理工学部) 重尚一(京都大学理学研究科) 林泰一(京都大学東南アジア地域研究研究所) 山根悠介(常葉大学教育学部) 木口雅司(東京大学生産技術研究所) 福島あずさ(神戸学院大学人文学部) 田上雅浩(東京大学工学系研究科) Caustav Chakravarty(Indian Institute of Tropical Meteorology) Hiambok Jones Syiemlieh(North-Eastern Hill University) |
関連ミッション |
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研究概要
インドモンスーン域のプレモンスーン期からモンスーン期にかけての豪雨は、積雲対流活動を通じてインドモンスーンの形成と駆動の要因となり、アジアモンスーンの最も重要な構成要素として、アジア域の巨大な人口の生存と生活を左右している。地球温暖化の進行に対する当該地域の適応戦略を明らかにするうえでも、インドモンスーン豪雨のメカニズム理解は、生存圏科学の重要な対象である。中でも本研究が対象とするメガラヤ山脈南斜面には、年降水量世界記録を持つインド気象局の観測点がある。
われわれの研究グループは、人工衛星搭載レーダー(TRMM/PR)からの推定降水量には、メガラヤ山脈南斜面で50 %以上の過小評価があることを明らかにした(Terao et al. 2017)。強い対流雲の減衰補正問題や、人工衛星から捕捉できない浅い降水システムによる大幅な降水増幅などが原因となっている可能性がある。
本研究では、過小評価の原因解明のため、インド熱帯気象研究所(IITM)との共同研究により、メガラヤ山脈南斜面の年降水量世界記録を持つ地点Cherrapunjeeに光学タイプとインパクトタイプの雨滴粒度計(optical)を設置した(写真)。IITMは西ガーツ山脈(Mahabareshwar)にも観測サイトを持っている。本申請は、この新しいIITMとの共同研究の推進による、より精度の高い人工衛星からの降水量推定手法の確立を目的とするものである。
写真 Cherrapunjeeに設置した光学タイプの雨滴粒度計。太陽電池パネルにより、センサー及びロガーに電源が供給される。データはロガーボックス内の専用ロガーに記録される。
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2017年8月21日作成