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第158回生存圏シンポジウム
視覚と化学物質による植物の相互作用: 発信と受容のメカニズム

更新日: 2015/12/04

開催日時 2010/11/19(金曜日) 9:30–17:45
開催場所 京都大学宇治おうばくプラザ セミナー室4, 5
主催者 有村源一郎、西原昌宏、矢崎一史 (所内担当者)
申請代表者 有村源一郎 (京都大学大学院理学研究科)
所内担当者 矢崎一史 (京都大学生存圏研究所森林圏遺伝子統御分野)
関連ミッション ミッション 1 (環境計測・地球再生)
関連分野 植物生命科学、化学生態学、農芸化学、細胞分子生物学、天然物有機化学。

共催: 京都大学理学研究科グローバルCOEプログラム

目的と具体的な内容

生物間のネットワークは人類の生存を支える自然生態系にとって欠かせない基盤の一つである。本シンポジウムでは、「植物の色彩(視覚)と化学物質(匂い)を介した生物間の相互作用ネットワーク」の分野に携わる研究者の方々に最近のトピックについて講演して頂き、萌芽的な植物科学研究の発展を目指す討論、研究交流を行った。

本会では以下 3 つのセッションを設けた。それぞれの独創的研究分野から得られた成果を実践的な環境保全、食料問題の解決、バイオ技術の社会への活用に如何につなげることが出来るかについて討論した。

各セッションの概要

セッション 1 「植物の相互作用と免疫機構」

植物の病害虫ストレスの受容と応答のメカニズムについての研究。細胞レベルからマクロレベルまでの幅広い生物間相互作用について議論した。

セッション 2 「植物由来 VOC (匂い)と大気環境」

植物の細胞内で低分子有機化合物である VOC がどのようにできて、どのように放出されるのか、またそれが大気環境にどのようなインパクトを与えるのか、有機化合物の膜透過の機構も交えて議論した。

セッション 3 「分子レベルからみた植物の生殖・生存戦略」

花色発色メカニズムと新規花色創出、菌との相互作用、開花調節等の研究を紹介し、分子生物学的観点から植物の生殖・生存戦略について議論した。

生存圏科学の発展や関連コミュニティの形成への貢献

ミッション 1 の「環境計測・地球再生」のコミュニティー、特に植物を中心とした生命科学における研究の発展や問題点、将来的な展望に対して討論した。特に、自然における植物と微生物、昆虫の相互作用のメカニズムを植物の免疫機構、情報化学物質の『発信、受容』、花卉の生殖・生存戦略の視点で幅広い議論ができた。さらに、それらの大気化学、農業への応用的視点からも討論することが出来た。

プログラム

  セッション 1 植物の相互作用と免疫機構
有村源一郎 (京都大・理)
09:40–10:05 吉岡博文 (名古屋大・農)
植物免疫応答における活性酸素・窒素の生成制御機構
10:05–10:30 川崎努 (近畿大・農)
植物の病原菌認識機構と病原菌の感染戦略
10:30–10:55 大西利幸 (静岡大・創造科学技術)
植物の化学防御機構におけるテルペノイド化合物の生合成とその役割
10:55–11:20 五味剣二 (香川大・農)
イネにおける間接的誘導抵抗性
11:20–11:45 下田武志 (中央農業総合研究センター)
植物由来の視覚・臭覚情報を介した天敵寄生蜂の採餌行動
—害虫の生物的防除への応用—
 
  セッション 2 植物由来VOCと大気環境
矢崎一史 (京都大・生存研)
13:10–13:35 谷晃 (静岡県立大・環境科学研究所)
テルペン類の放出と大気環境におけるフラックス
13:35–14:00 阪井康能 (京都大・農)
2大温室効果ガス間炭素循環と微生物・植物間相互作用
14:00–14:25 肥塚崇男 (京都大・生存研)
植物が作り出すフェニルプロペン香気物質の生成機構
14:25–14:50 士反伸和 (神戸薬科大・生薬化学)
植物のアルカロイド蓄積と防御機構
 
  セッション 3 分子レベルからみた植物の生殖・生存戦略
西原昌宏 (岩手生工研)
15:30–15:55 吉田久美 (名古屋大・情報科学)
金属イオンの関与する青色花色の発現機構
15:55–16:20 田中良和 (サントリー)
遺伝子組換え花きの開発と実用化—夢と課題
16:20–16:45 佐々木伸大 (東京農工大・工)
植物色素合成に関わる酵素について
16:45–17:10 青木俊夫 (日本大・生物資源科学)
マメ科ミヤコグサのフラボノイド生合成調節遺伝子と生物間相互作用
17:10–17:35 工藤洋 (京都大・生態研)
自然条件下における開花調節遺伝子の機能解析
 

 

Symposium-0158 ポスター PDF ファイル (253 657 バイト)

 

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