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第357回生存圏シンポジウム
第7回東日本大震災以降の福島県の現状及び支援の取り組みについて

更新日: 2021/04/23

開催日時 2017(平成29)年11月27日(月) 10:30 ~28日(火) 19:00
開催場所 福島県農業総合センター浜地域農業再生研究センター(福島県南相馬市)
主催者 上田義勝 (京都大学生存圏研究所宇宙圏航行システム工学分野)
申請代表者 上田義勝 (京都大学生存圏研究所宇宙圏航行システム工学分野)
関連ミッション ミッション1 環境診断・循環機能制御
関連分野 生存圏科学、植物科学、放射線計測学、社会学、土壌学。

概要

生存圏研究所においては震災関連の研究報告を、生存圏シンポジウム「東日本大震災以降の福島県の現状及び支援の取り組みについて」として毎年開催している。今回は南相馬市において国際シンポジウムを開催した。

目的と具体的な内容

2011(平成23)年3月の東日本大震災に関するシンポジウムとして、合計6回の生存圏シンポジウム「東日本大震災以降の福島県の現状及び支援の取り組みについて」を毎年開催し、これまでに延べ400名以上の参加者があった。また、昨年度は国際シンポジウムとしての開催も行ったが、今年度のシンポジウムでは、これからの継続的な復興支援・連携研究に向けた議論の場として、福島県南相馬市にある、福島県農業総合センター・浜地域農業再生研究センターにてシンポジウムを開催した。

2017(平成29)年度は、特に新たな研究状況に関する話題提供として、東京大学農学生命科学研究科の濱本准教授に講演を行って頂き、最新の農学に向けた支援研究の現状について、活発な議論を行った。また、融合研究としての観点から、生存圏研究所の鈴木助教にも出席頂き、今後の継続研究に向けた議論が出来た。また、2日目には、シンポジウムとして特に復興状況のただ中にある南相馬市や浪江町の現状を視察しながら、福島大学黒沢教授からは南相馬市海岸における植生保全のための活動の説明、また浜地域農業再生研究センターの齋藤研究員からは、福島第一原発から3 kmにある、土壌回復のための実験圃場の現状と課題についての報告があった。

特に原発事故問題については、関西圏からは近年新しい情報も少なく、現地の活発な活動状況が見えにくい事も多かったが、今回研究活動の現場の一つである浜地域農業再生研究センターで開催出来た事は、非常に意義あるシンポジウムであったと考える。”

生存圏科学の発展や関連コミュニティの形成への貢献

生活圏を脅かす要員の一つとなりうる事故で、特に原発の事故に対しては、放射性物質の拡散などの情報が中々得られない不安定な状況になりやすく、地道な研究活動により、人類生存圏の安心・安全な社会を構築して行かなくてはならない。本研究集会では、これまで福島県の現状と復旧・復興に向けた支援研究の取り組みを継続して発表し、生存圏科学のコミュニティに現地の正しい情報を伝えることに取り組んできている。今回は研究者間の情報交換と、現地視察などの意味合いが強いものであったが、昨年度開催した国際シンポジウムとしての継続も考えており、来年度6月にポーランドにて開催される国際シンポジウムへの参加についての議論も進めてきている。また、新しい融合研究としては、京都大学生存圏研究所と、原子炉実験所、東京大学、福島県農業総合センターとが協力して、河川域における土壌汚染状況の調査についての計画が新たに進められる事となり、活発な研究活動にもつながりつつある。

また、本研究集会に関連して、中高校生を対象とした震災関連の出張授業なども継続して開催している。

  • 京都府立宮津高校(2年生122名)
  • 京丹波町立瑞穂中学校(全学年73名)
    (記事として京都新聞 2017年11月11日 丹後版及びwebに掲載)

プログラム

11月27日(月)

10:30–12:00 宮城県周辺の環境放射能及び植生に関する視察

13:00–17:00 基調講演と議論
福島県農業総合センター浜地域農業再生研究センター
所在地: 〒975-0036 福島県南相馬市原町区萱浜巣掛場45

13:00–13:10 開会挨拶
京都大学生存圏研究所 上田義勝(発起人代表)
13:10–13:50 「土壌に関する支援研究」
東京大学大学院農学生命科学研究科 濱本昌一郎
13:50–14:20 「浜地域農業再生研究センターでの取り組みについて」
福島県農業総合センター浜地域農業再生研究センター 齋藤隆
14:20–14:50 「農業環境中における放射性セシウムに対する研究」
東京大学大学院農学生命科学研究科 二瓶直登
14:50–15:00 休憩
15:00–15:30 「宮城県から福島県の海岸で行われている復旧事業と生物多様性保全の取りみ」
福島大学共生システム理工学類 黒沢高秀
15:30–16:00 「農研機構における研究」
農研機構東北農業研究センター 藤村恵人
16:00–16:30 「KURAMAの最新の研究状況について」
京都大学原子炉実験所 谷垣実
16:30–16:50 総合討論I
16:50–17:00 閉会挨拶
京都大学生存圏研究所 杉山暁史

11月28日(火)

09:00–10:30 福島県南相馬市海岸における復旧状況と、植生保全のための取り組みについての視察

10:30–14:00 浜地域農業再生研究センターの見学、及び、浪江町での圃場見学

17:00–19:00 総合討論II
(話題提供)福島市内における環境放射能についての紹介
福島県農業総合センター果樹研究所 小野勇治
松島屋旅舘 2F会議場
所在地: 〒960-0211 福島県福島市飯坂町湯野切湯ノ上14

Symposium-0357a Symposium-0357b

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2017年9月4日作成,2017年12月5日更新

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