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第341回生存圏シンポジウム
木質材料実験棟H28年度共同利用研究発表会

更新日: 2017/03/24

開催日時 2017(平成29)年3月14日(火)10:30–17:00
開催場所 京都大学生存圏研究所 木質ホール3階
主催者 京都大学生存圏研究所
申請代表者 五十田博 (京都大学生存圏研究所生活圏構造機能分野)
関連ミッション ミッション4 循環材料・環境共生システム
関連分野 建築学、木質材料学、木材保存学、建築士、木造関連メーカー、林産、応用生命、炭素材料など。

概要

本年度の全国共同利用木質材料実験棟における共同研究についての報告会を実施し、採用分である16件の報告を得た。幅広い分野における報告であったが企業も含めて40名弱の参加者があり、活発な議論が行われた。

目的と具体的な内容

木質材料実験棟の共同利用研究における研究成果を発表することで、それぞれの研究テーマにおける深化および他分野との連携、また他分野からの刺激を授受すること、そして、研究の進め方やグループ作りなどについての意見交換を行うことを目的としている。

2016(平成28)年度に実施された16件の木質材料実験棟全国共同利用研究の成果発表会を実施した。一人当たりの発表時間を15分と設定していたが、議論が活発であったために、予定していた時間を超過する発表が多く見られた。分野としては、新素材材料や新規木質材料、燃料電池、住宅レベルから大型木造に関するまで、多岐に渡っており、発表者がお互いに理解度を上げられるように説明を工夫しており、大変面白い発表会となった。また、近年注目されているCLTに関する発表や、建物のリスク管理に関するような発表もみられた。

報告会における議論では、専門分野でない方からの質問などがあり、かみ合わない部分などもみられたが、詳しい説明を行うことで、異なる意見交換が行われ、研究活性という意味では良い機会になったと思われる。今後、分野間を超えた融合が起こることに、期待したい。

生存圏科学の発展や関連コミュニティの形成への貢献

生存圏科学のうち、循環材料・環境共生システムのミッション4に関すること、太陽エネルギー変換・高度利用のミッション2に関する発表が見られ、木や木材の使用方法はそれぞれの研究課題において異なるものの、様々な取り組みが発表されたことと分野を超えたディスカッションがおこなえたことで、生存圏科学の発展に寄与したと考える。

また、木質材料や木質構造に関する研究では、いますぐに利用・応用できる内容の発表から、まだこれからと思わせる発表も見られ、実験成果をもとに建物の建築が進んでいる事例の報告もあった。また、木材のカスケード利用を考える上で重要となる、微細構造の調査などについても発表があり、それぞれ異なる研究対象であっても、良い意見交換がなされたと考える。また、多くの研究機関が参加していたため、今後の融合にも期待したいと考える。発表後には、意見交換をされている姿が見られ、木材を有効に利用していくための幅広いコミュニティの形成に貢献できたと考える。

プログラム

司会:北守顕久(京都大学生存圏研究所)
10:30 開会挨拶
金山公三(京都大学生存圏研究所)
10:35–10:50 上津屋橋の維持管理を元にしたこれからの木橋の耐久設計に関する検討
渡辺浩(福岡大学工学部)
10:50–11:05 曲げ降伏型接合具を用いたCLT接合部の引張実験 —最大荷重に接合具間隔が与える影響—
中島昌一(宇都宮大学大学院工学研究科)
11:05–11:20 イオン液体を用いた木材処理技術に関する基礎研究
宮藤久士(京都府立大学大学院生命環境科学研究科)
11:20–11:35 京都府産木材の有効活用に関する研究
明石浩和(京都府農林水産技術センター)
11:35–11:50 広葉樹細胞壁の熱処理による微細構造の変化
村田功二(京都大学大学院農学研究科)
11:50–13:30 昼食
司会:畑俊充(京都大学生存圏研究所)
13:30–13:45 木質起源物質の微細形態・構造化と炭素変換
木島正志(筑波大学大学院数理物質科学研究科)
13:45–14:00 住宅床下における銅板等の劣化抑制効果の検証
栗崎宏(富山県農林水産総合技術センター木材研究所)
14:00–14:15 テープ状制振素材又は塗布状制振素材による木造制振耐力壁の効果に関する研究
柳原直也(日本工業大学工学部)
14:15–14:30 廃シリコンスラッジを用いたシリサイド系熱電材料の作製
北川裕之(島根大学総合理工学部)
14:30–14:45 休憩
司会:森拓郎(京都大学生存圏研究所)
14:45–15:00 セルロース炭素複合材料の多孔質構造解析と微細空間の制御および電気二重層キャパシタへの応用
大澤幸造(長野工業高等専門学校)
15:00–15:15 CLT (Cross laminated timber)を用いた中・大規模木造建築物の開発
中谷誠(宮崎県木材利用技術センター)
15:15–15:30 住宅における雨水浸入を想定した木材腐朽菌の定着及び進行速度の検討
齋藤宏昭(足利工業大学工学部)
15:30–15:45 ビスを用いた木質材料-金属材料接合部のせん断性能
松田昌洋(信州大学工学部)
15:45–16:00 休憩
司会:中谷誠(宮崎県木材利用技術センター)
16:00–16:15 住宅床下への木材劣化生物の侵入生態の把握とその予防に関する基礎的検討
簗瀬佳之(京都大学大学院農学研究科)
16:15–16:30 木口挿入型接合具を用いた木材接合部の変形性能確保方法の検討
田中圭(大分大学工学部)
16:30–16:45 熱硬化フェノール樹脂炭素化物と木質炭素化物の複合化によるCO2吸蔵能の向上
畑俊充(京都大学生存圏研究所)
16:45 総括
五十田博(京都大学生存圏研究所:共同利用木質材料実験棟委員長)
17:00 討論会

Symposium-0341
ポスター PDF ファイル (189 719 バイト)
ポスター制作: 森拓郎 (京都大学生存圏研究所)

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2017年2月6日作成,2017年3月24日更新

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