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第334回生存圏シンポジウム
木の文化と科学 XVI
木の文化と科学の今、そして未来

更新日: 2017/03/24

開催日時 2017(平成29)年2月21日(火)13:30–16:30
開催場所 京都大学生存圏研究所 木質ホール3階
主催者 京都大学生存圏研究所
申請代表者 杉山淳司(京都大学生存圏研究所バイオマス形態情報分野)
関連ミッション ミッション5 高品位生存圏
関連分野 木づかいの科学による社会貢献。

概要

第16回を迎える木の文化と科学シンポでは、木の文化と科学の今、そして未来と題して、これまでの長年の研究で明らかになった漆の歴史的利用や中国での樹種識別の現状、ならびに人口知能をはじめとした樹種識別の新しい手法について各方面の専門家の先生から講演をいただいた。

目的と具体的な内容

これまでに木の文化と科学に関する研究成果を公開(過去、木の文化と科学を15回開催済み)することで、海外から伝来した文化や宗教などの影響が強く残る日本の学際的研究分野の研究者にとって非常に有益となる情報を共有してきた。2016年より、申請者らは生存圏研究所ミッション5-4『高品位生存圏』において日本の伝統的な木づかいの科学の解明に向けた研究に取り組んできている。日本の木の文化には、近隣アジア諸国をはじめとして海外から伝来した文化や宗教などの影響が強く影響しており、これらを新たに理解することで、日本国内の文化の理解にも寄与できるものと考えている。第16回を迎える木の文化と科学シンポでは、木の文化と科学の今、そして未来と題して、これまでの長年の研究で明らかになった漆の歴史的利用や中国での樹種識別の現状、ならびに人口知能をはじめとした樹種識別の新しい手法について各方面の専門家の先生から講演をいただいた。漆の専門家2名からは、漆が縄文時代からクリと同様に重要な利用価値があると認識されていたという知見を考古学的手法と科学的手法を併用して明らかにした研究をはじめとして、長年にわたる研究で明らかになってきた科学的手法を用いた漆文化の解明についてご講演いただいた。また樹種識別の研究においては、中国における樹種識別の今を教示いただいた他、近年開発がすすんでいる画像認識による樹種識別の有効性について、御講演いただいた。

生存圏科学の発展や関連コミュニティの形成への貢献

グリーン・ライフイノベーションを未来で実現することが現代を生きる我々の使命である。未来型の循環型生活を可能にするため、古の英知と先端科学を融合し、文化財に選択的に使用された木材から様々な情報を抽出したことで得られた情報などを、人類が歩もうとしている未来の構築に向けたデータとして活用することが必須である。

2016年より設定された生存圏研究所のミッション5『高品位生存圏』では、5-4に木づかいの科学による社会貢献という項目が設けられ、文化財から建造物まで様々な研究が推進されてきている。

木に纏わる研究は、その物自体の調査にとどまらず、植生や用材観といった点から、日本と近隣諸国との交流などを深く知ることにもつながる。毎年継続している木の文化と科学シンポジウムでは、科学を用いた木の文化の解明を目的とし、様々な研究者や専門家から御講演いただいてきたが、共通するテーマは、古の人類が培ってきた英知を科学的手法を用いて知り、そして未来の構築にむけて活用することである。シンポジウムには、文理の枠にとらわれない様々な分野の研究者らが集うが、様々な切り口で木の文化を知る機会として非常に有意義な場を提供している。

プログラム

13:30 開会
13:40 縄文時代の日本にウルシは生育したのか?
能城修一(森林総合研究所)
14:20 漆工品の塗膜分析 —塗膜に残された先人のこころ—
岡田文男(京都造形芸術大学)
15:00 中国での樹種識別研究の現状
伊東隆夫(京都大学名誉教授・奈良文化財研究所)
15:40 木材組織の形態情報学 現状と展望
杉山淳司(京都大学)

Symposium-0334
ポスター PDF ファイル (237 608 バイト)

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2016年12月5日作成,2017年3月24日更新

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