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2014(平成26) 年度 生存圏科学 ミッション研究 5

更新日: 2017/09/19

研究課題

宇宙圏電磁環境計測用高度プラズマ波動・電波観測システムの開発

研究組織

 代表者 笠羽康正 (東北大学理学研究科)
 共同研究者 笠原禎也 (金沢大学総合メディア基盤センター)
小嶋浩嗣 (京都大学生存圏研究所)
熊本篤志 (東北大学理学研究科)
石坂圭吾 (富山県立大学工学部)
関連ミッション
  • ミッション 3 (宇宙環境・利用)

研究概要

宇宙圏を支配する電磁気的現象は、無衝突プラズマ中におけるエネルギー伝搬媒体としてのプラズマ波動現象として顕著に現れる。従って、人間が宇宙空間を利用していくときに、そこの環境変化はプラズマ波動をモニターすることによって明らかにされる。この意味でプラズマ波動を計測することのできるシステムは非常に重要である。宇宙空間で発生するプラズマ波動は、装置のノイズレベルに匹敵する程微弱なものから、放送電波に匹敵するほどの強度まで、非常に信号のダイナミックレンジが広い。従ってこのプラズマ波動を観測するための観測装置は、高感度でかつ、大きな信号も飽和することなく計測できるシステムである必要がある。昨年度までにこのような広いダイナミックレンジと広帯域にわたりフラットな特性をもつプリアンプの開発を終えている。本年度は、このプリアンプに接続するプラズマ波動受信器本体の設計開発を行う。その際、オンボードでの高速波形処理を行うデジタル部との成立性を鑑みた設計を行う。高感度であるアナログ部に対しデジタル部における信号やクロックが contamination とならないよう、プリントパターン設計、および、内部計装におけるシールドの configuration など体系化をすすめつつ実測を踏まえシステムとしての実現性を確かなものとする。

一方、サイエンスを行う上で、重要なパラメータとなる「電界センサーのプラズマ中でのインピーダンス」の計測を行うことのできるシステムについても開発をすすめる。電界センサーのインピーダンスは、プラズマの温度、密度の関数となるため、実際の観測にあたっては、適宜計測を行う必要がある。この計測方法にはいくつかの手法がこれまで試されているが、ここではセンサープリアンプの入力部に既知の信号を特定のインピーダンス経由で印加することにより受信器を通して得られる波形を用いたインピーダンス計測手法を用いることとする。この既知の信号は受信器を通した後、上述のデジタル部で処理され地上へと伝送される。ここでもデジタル部も含めた高い S/N がどこまで実現できるか、が、どれほど高い精度で電界センサーのインピーダンスを計測できるか、という性能に結びついていく。図は電界センサーインピーダンス計測ブロックの例である。R1, R2 という既知のインピーダンス経由でプリアンプ入力に既知の信号を印加、デジタル部にて同期検波を行っている。

笠羽康正: 2014(平成26)年度 生存圏ミッション研究図: 電界センサーのインピーダンス計測ブロックの例

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2014年7月15日作成

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